T2eメンバーズピックアップ
シリーズでインターネットを活用したビジネスを シリーズでインターネットを活用したビジネスを シリーズでインターネットを活用したビジネスを
見方を変えると…
― 5年程前「どうしたら家族の家が安く買えるかな?」と簑原社長が考えて気が付いたのが、競売不動産。
当時は築5,6年のマンションが、最低売却価格の600万円とか700万円で落札されているにも関わらず、誰も裁判所に入札に来ないのを何度も目の当たりにしました。市場の価格と比べても、競売を利用すれば、資産を増やすことができると思い、それまでの簿記会計の専門学校の先生の仕事から、ほぼ経験ゼロの状態ながら不動産業を開業しようと思ったそうです。しかし、平成14年頃から落札価格は高騰の兆しを見せ、開業する平成15年には資産を増やすのに不安を覚えるように…。


簑原社長:
そのころも、例えば1000万円を2000万円にするのは難しいけど、1300〜1400万円にする自信はありました。しかし、お客様に喜んでもらう為には、物件を安く仕入れなくてはいけない。安く仕入れるためには、最低売却価格か最低売却価格で取得可能な特別売却で物件を取得しなくてはいけないと思いました。

T2e:確かにそうなれば一番良いのですが、そう上手くいくものでしょうか?

話し出すと止まらない!簑原社長簑原社長:実はね、マンションは100回に1回は売れる物件が最低売却価格で落ちるんですよ。落とすコツは門外不出の秘密なんですが(笑)。過去データ5年間の分析をするとあることに気が付いたんです。これは人間の心理の問題が大きく関ってきます。実際に業務を行うのはコンピュータではなく、人間ですからね。

最低売却価格で物件が取得できる一例なんですが、正月、お盆明けは1ヶ月程度が狙い目で、期間入札がありません。その後、4週連続ぐらいでどどどっと物件が公告されます。私の持っている資金では4週連続、全部入札をするお金はありません。最初の2週間は、期間入札を待っている人たちは皆お腹を空かせて物件を待っている状態なんです。なので、最初の2週は捨て、3週目に賭ける―そのようなやり方で今までに5つ程の物件をほぼ最低売却に近い金額で落札できました!

それは過去の入札状況や落札状況のデータを分析すると分かるものでした。休み明けの1週目・2週目はものすごい数の入札がありましたが、3週目からは入札数が半分以下になるんです。本当は、4週目も行きたかったのですが、その時はお金がなかったので手が出せませんでした。そしたらやっぱり他の業者が、最低売却価格で落札をしていましたね。

T2e:心理的要素も踏まえてデータを分析するといろいろなものが見えてくるのですね。他に競売で物件を取得される方法はありますか?

簑原社長:私は特別売却も積極的に取得します。平成15年にAとBという外観がきれいなマンションが特別売却に出ました。 私はAマンションに目を付けて、金曜日の朝一番に裁判所に買い付けに行ったんです。そしたら、他の業者さんが9社くらい待っていました。

特別売却は、買受希望者が多いとその場で競争入札なんで、「これはダメだなー。」と思っていましたが、私以外は皆Bマンション狙いだったんです!なので、私は最低売却価格で無事取得することができました。その時、初めて不動産会社の人と接触したんですが、周りの業者の人に「私は素人なんですが、これ売れますかね?」と聞いたところ、皆から「こんなもの売れるはずないじゃないか…」という感じで見られてしまいました。その時は、もしかしたらとんでもない物件を取得したかもしれない!と正直思いましたよ。

リフォーム前と後その後、物件の残代金を納付し、すぐに物件のリフォームをしていたところ、そのマンションの1階と2階に他の不動産業者さんがオープンハウスをしていたんですね。私はその4階で掃除をしていたのですが、その物件を見にきたお客様から「ここも売り物なの?」と聞かれました。お客様が見られていた物件は、確か700万円くらいだったと思います。しかし、私の物件は4階なのに「580万円でいいですよ。」と言ったら、お客様から「詐欺じゃないか?!」と思われてしまったようです(笑)。リフォーム途中だけどその場で手付金をもらい、リフォームのグレードもさらに上げたので、最終的には860万円で購入していただきました。

T2e:他に売り物件があることで価格的メリットも直接訴えられたんですね。しかし、とても良いタイミングですよね。
ともあれ、簑原社長はリフォームにも重点を置いているんですね。

簑原社長:私の物件の大きな特徴は、仕入を安くする代わりにリフォームに普通の何倍もお金をかけることです。この物件の時は、システムバス・システムキッチン・洗面化粧台・壁紙は量産品の2倍から3倍する壁紙を使用し、建具やドア、給湯器まで全て取り替えました。部材は現金で問屋さんから直接買い叩いてくるので、実際の工事だともっとコストがかかると思います。だから私の物件を見にきたお客様や業者の方はいつもものすごく驚かれます。内装は新築同様ですからね。ですので仕入を安くして、内装にお金をかける、そして市場価格に近い価格で売り出しをかけると、本当にスピーディーに売れてしまいます。

先ほどのAマンションで一番良かったのは、残代金を払って1週間以内に転売できたことです。一方のBマンションは8人か9人で90万円くらい上乗せをして落札したみたいですが、何ヶ月か経った後も売れ残っていたようでした。今思うと「不動産は素人」という目線で物件を取得したのが良かったのかもしれませんね。

T2e:リフォームに力をいれて付加価値を上げる。もちろんリフォームにも直接工夫されていますが、確かにそのためには仕入を安くしないと、売り出し価格が高くなってしまいますよね。

簑原社長:私はマンションを仕入れる時は、ものすごく新しいか、ものすごく古いかどちらかの物件に絞ります。ものすごく新しいと商品化するのにあまり手をかけずにすみます。またボロボロの古い物件だと、とことん安く仕入れて最初からリフォームをかけるのに都合がいいのです。正直、箱さえあればいい状況です。築10-15年前後はあまり取得しません。そういった物件は内装を変えないと汚いけど、変えるとコストも多くかかる。中途半端なんですね。

私は物件を仕入れる際、簡単な考え方をしています。物件に1から10ランクを付けるとします。上から三番目までは皆欲しがる物件なので、競売で言うと時価以上の高値になるので最初から狙いません。一方、物件としてダメな下から3番目までは売れない物件なので、最初から入札はしない。その他の4-6番目の物件を入札すると、5,6番目が最低売却価格に近い価格で落札できる確率が高いのです。
人間の心理を資料から読み取る
T2e:売り出しはどんな方法をとられるのですか?

簑原社長:athomeやインターネットの不動産情報に登録します。広告宣伝費もほとんどかけず、ほぼインターネットだけかな。以前はほとんど他の不動産業者さんに仲介してもらっていましたが、ここ最近はお客様から直接のお問合せも増えてきましたよ!

T2e:私供も他の業者様から、ここ最近はインターネット経由でのお問合せが急増している話をよく耳にします。当社が手がける業者様のWEBサイトにも同様の動きが感じられます。それでは、最近の入札金額についてはどう思われますか?

簑原社長:それについても、人間の心理が強くかかわっていると思いますね。昨年の3月か4月に特売で取得した物件についてですが、660万位で取得してリフォームに200〜300万円かけて1240万円で販売しました。その物件は現況の内容を見ると、ややこしい占有者だったんですね。それで誰も入札しなかったと思うんですが、実際は現況の内容ほどややこしくなく、結構素直に出て行ってもらいました。その後の移転先のアパートまで紹介してあげて、アパートの仲介手数料も取らなかったので喜ばれましたしね。

占有者の件もね、いざやってみると簡単に終わる事も多いですよ。ごちゃごちゃしているもの程、結構あっさりいくと感じています。(ここで奥様から、「それはあなただからじゃないの?!」とのコメントが…)私はね、約束は守るし嘘はつかない、そういうのは徹底しています。筋道はしっかり守るので、難解な占有者ほど上手くいくし、話が早いです。ルールがない一般の人ほど難しいと感じていますよ。

後日談ですが、私が販売し終えたその後に同マンションの別室を入札した業者さんは1000万円以上で落札をしていたんです!販売価格だけに注目をすると、かなりの高値で落札をすることになる場合があるのだと感じましたね。

その他にも、特売でやっと売れるような物件でも、私の場合内装に力を入れるため、ある程度の金額で売れるのですが、その販売価格を参考にして落札するのは厳しいと思います。

T2e:ここ最近は土地を落札されていますね!

簑原社長:ウソみたいな話なんですが、下白水の土地を特売で取得しました。その物件、残代金納付して3日目に売れたんです。その土地は、家が建たない土地で、他の業者さんは「あの物件は売れない!」「あれを買う人は素人!!」と言われていました。その場所はどん詰まりで、周りが擁壁に囲まれている場所で、なおかつその擁壁は9mもあり上から下までひびが入っていたのです。

しかし私には勝算がありました。実はその場所、周りの家は堀車庫ばかりで車が一台しか駐車できないのです。おまけに物件を見に行った際、その隣のアパートが解体するために足場を組んでいたのを見て「隣の人が買うかもしれない…。」そう考え、即買いました。数日後、現場に行ったら子供が来て「おじさん、何やってるの?」と聞くので、「おじさんは、この土地の持ち主なんだよ。」と言うと、その子のお母さん、つまり隣の物件の持ち主が飛んできて「この土地、売ってください!」という話になったんです。それが3日目です!

T2e:すごいですね!常に物件は入札前に調査にいかれるんですか?

簑原社長:いえ。物件は見に行かない事が結構多いですよ。特にマンションなんて見に行かないのも結構あります。裁判所の資料だけで済ますこともありますね。マンションが建つってことは大丈夫だろう、と考えています。新しい物件なんか特に。古い物件は街が移動してるかもしれないですが。
データから見えてくること
T2e:T2eの情報はどういったところを使っていただいていますか?

簑原社長:T2eの情報は過去の落札事例がものすごく参考になっています。その時の落札金額や、近隣で幾らくらいで落札されているか、場所の状況を考えつつ3年前だったら土地の値段を下げるとかして、入札金額の参考になっています。ちなみに物件を売る時はYahooの不動産情報とか、裁判所資料の鑑定士の判定結果とかを参考にしています。

T2e:今後の戦略や簑原社長のモットーを教えてください

簑原社長:実は、マンションからはちょっと引いています。今は価格が高いですし、以前私が取得した10件のうち6件は老人が住んでいました。皆さん、行くところが無く、市営住宅のお世話や、送り迎え、生活保護の手続き等の手伝いまでしました。私が知恵を貸すので、みなさんすんなり出て行ってくれましたが、そういう手続きも難しくなってきています。

土地は、売れる物件はほとんど買っています。特売の売れる物件は10件以上買っていますよ。土地は形とか、いろいろその他のこともあって怖い面もありますが、去年はラッキーでしたね。私の場合、残代金払って即売れる場合が多いです。今まで1回も赤字を出した事はないです。 1年間で売上は1億5000万円、まぁ、利益率は低いけど、半年で事務所も新築に移れたし、今年は家も建てます。この1年間はたくさんのことを勉強しましたね!それにまっすぐ生きていれば危機にさらされても助けてもらえると感じているんですよ
― とにかく話題が豊富な簑原社長。言葉の端々に、物件を買っていただく方に喜んでもらいたい…という気持ちを感じる事ができました。サポートされてる奥様とも仲がいい様子で、そんな(有)フリーエンタープライズの楽しげな環境も、業績を支えているひとつの要因かもしれません。(2005年2月)

▲ページのトップに戻る
有限会社フリーエンタープライズ
福岡市博多区東光寺1-10-7
第2岩瀬ビル
TEL:TEL:092-432-2277 / FAX:092-434-5505
E-MAIL:1669295101@jcom.home.ne.jp